アルコール中毒者から、金銭を要求される場合の対応について。「何があっても、お金を渡してはいけない。」
アルコールって、簡単に手に入ってしまうから、簡単に何本も買って飲んでしまいますよね。アルコール依存になると、それが進行しすぎて働けなくなって、安価なお酒も買えなくなってしまいます。
そんな依存症者が、お金を要求してきたら怖いですよね。もう、飲んでほしくないですよね。
「お金なんて渡したら、また飲んでしまうのでは?」
と思って警戒しても、依存症者は飲むためなら正当な理由を考える天才なので気を付けてください。そういうことには、本当に頭が回りますから。
今回は、アルコール依存症者が金銭を請求してきた時の対応について調べてみました。
お酒に溺れると、お金の収支もわからなくなる。
アルコールを飲み続けている人、そのほとんどの依存症者はお金に困ってきます。
比較的安価な市販薬やアルコールでも、徐々にが増え飲酒量が増えるにつれ、手に入れ続けるためには相当なお金が必要になってくるはずです。
加えて、依存症が深刻化するに従って、以前と同じように仕事をすることが困難になってきますから、収入と支出とバランスが大きく崩れてしまいます。
そんなときには通常、収支を見直し、バランスを保つ努力をするはずですが、依存症者は病気のために適切な行動をとることが難しくなってきます。
お金がないから、家族へ金を要求してくる。
そこで、なんとかお金を手に入れて、薬物を使い続けようと必死になり、あれこれと理由をつけて家族に金銭の要求をすることが多くなってきます。
当初は小さな金額かもしれません。
「一時的に借りるだけだから」「すぐに返すあてがあるから」
と言うかもしれません。さらに手の込んだ、もっともらしい理由を考えつく場合もあるでしょう。
お酒を飲むために、頭をフル回転させ、正当な理由を考える天才。
その方法は実に巧妙で多岐に渡っているため、家族といえども嘘を見抜くことが困難です。ですから、本人がどんな理由をつけてこようと、基本的にお金を渡す事はやめるようにしてください。
「お金を払ってもらえないなら、自分は死んでしまうかもしれない。」
などと言われると、これが最後と思い、つい渡してしまいそうになるかもしれませんが、お金を渡したら結果的にはにアルコールに消えていくのだと言うことを忘れないようにしましょう。
条件を付けても、絶対にお金を渡してはダメ。
もう一つ、本人の金銭要求に対して家族が取りがちな間違った対応は、
「条件をつけて金銭を貸す」という行為です。
「もう二度と使わないと約束してくれるなら私でもいいよ。」
「このお金と引き換えに治療を受けてちょうだい。」
というような交換条件はほとんど効果を発揮しません。
目先のお金欲しさに、依存症者はどんな約束でもしますが、それを守るはずがありません。その結果、家族は裏切られたと失望し、本人との信頼関係が悪化するだけなのです。
したがって、たとえ小額であっても金銭の要求には一切応じないこと。
またキャッシュカードや通帳等を含め、家族内の金銭管理を徹底することが大事です。家族の一員が、家のものを勝手に盗み出したり、売り払ったりするような事は考えたくないかもしれませんが、それが依存症の怖さです。
アルコール依存症という病気は、本人に薬物を使わせるために、どんなことでもさせるだけの強い力を持っていることを忘れないようにしましょう。
家族を依存症から救う本
薬物・アルコール依存で困っている人へ
著者:加藤力